9月19日

午前 未来のために知っておきたいプラスチックの話

同志社大学准教授 原田禎夫 講師


 大正時代、ベークライトがプラスチックを発明し、現在全世界で4億トン生産され、そのうちリサイクルされるのは9%のみです。日本では、1200万トンが生産され、800万トンがゴミとして処理されています。そのうち国内でリサイクルされるのは15%程度であり、OECD諸国では、最下位に近いリサイクル率です。

 海に捨てられているプラスチックの量はどうでしょうか。2020年には800万トン、2025年には1500万トン、2050年には魚の量を超えると予測されています。

 日本近海は、東南アジアから流れてくるゴミ、及び川から流れてくるゴミで、世界平均の27倍という膨大な量となっています。海の中で、ほとんどのプラスチックは海底に沈みますが、マイクロプラスチックとなって漂っているもの多々あります。それを小さな魚が食べ、その小さな魚を大きな魚が食べ、最後には人間が食べることになります。体内に蓄積されると、いろいろな疾患の原因となることも報告されています。

 では、プラスチックごみをどう減らすことができるのでしょうか。

 

 2019年6月のG20大阪サミットで、「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」が承認され、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が発表されました。

 


 次に、京都府亀岡市で行われている「プラスチックごみ対策」を紹介します。

2006年、NPO法人プロジェクト保津川を立上げ、まず、ごみを発見したらスマホなどで撮影し、GPSにより場所を特定し、「ごみマップ」を作成、行政・自治会などで情報共有することから始めました。

このマップを活用し、啓発活動を行うことにより、不法投棄が確実に減ってきています。

 また、条例により2020年レジ袋が禁止されました。その結果保津川周辺のごみ調査によると、レジ袋は2019年405個から2021年63個と激減。しかし、ペットボトルについては増加している結果となりました。

 日本の河川全体に、約4000万本のペットボトルが捨てられていると推定されています。(全国川ごみネットワーク調べ)


 プラスチック汚染を解決できる単一の手法はありません。欧州では、ペットボトル返却によりお金が返ってくるシステムが、企業・自治体により導入され、日本みたいに個人に求めるのではなく、国・企業がメインとなって回収を進めています。このように、国家・地方・地域・企業・個人の各レベルでの効果的取り組みが不可欠です。

 まず、川のごみ回収プロジェクトなどに参加するなど、自分のできることから頑張っていきましょう。

 


午後 大阪商業大学商業史博物館 見学


 大阪商業大学は、1928年大阪城東商業学校として開学。この建物は、1935年建築され、1983年谷岡記念館として、博物館相当指定申請を行い、

1999年指定を受けました。また、2000年国の登録有形文化財の指定を受けています。

 1階には国内外の民族玩具(大局将棋、世界の将棋、チェス、麻雀牌など)が展示された「アミューズメント産業研究所展示室」、2階には江戸時代の大阪商人の活動を解説した「商業史博物館」があり、岡村先生、高橋先生から説明を受けました。